身はたとえ パラオの沖に死するとも
魂生きて 父の元へと
(ふすまに大書された 故西嶋辰夫氏=スマトラ・パラオで戦死=への父の鎮魂歌)
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塹壕(ざんごう)
[詠い継ぐ戦争と平和]
血 便
塹壕(ざんごう)へ北支の時雨(しぐれ)容赦なく
首までの水 飯ごうで出す
首までの泥水 壕に漏れる尿 温みつかの間 腸まで冷える
飯ごうで泥水汲み出す力尽き 更ける闇夜の虚ろなうめき
塹壕の冷える泥沼夜が白む オレ生きている 涙抱き合う
大君の辺にこそ行けず 田の畔に たびたびしゃがむ
血便の父
(父生還…生涯血便、叔父戦死@パラオ)
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父ありき 大戦最後のミンダナオ 夢にも会わず七十年過ぐ
ニューギニア出征前の父帰宅 止まらぬ母と祖母の慟哭(どうこく)
=悲しみ号泣する二人の口は、犬のよう…
母がこれほど泣くなんて見たことない。当時6歳女児のおどろき)
塹壕(ざんごう)
いざ突貫・アッツ島 山崎隊
巻脚絆に繋ぐ肉弾三百余 しぶく鮮血怯む米軍
(ゲートル)
篠山千八百余の戦没者追悼
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