ほんまの平和・・・全人類愛へ
《第一集 編集後記》
富国強兵、殖産興業を目標とした明治維新政府は、民衆を天皇の臣民―家来とし、教育勅語で「いったん緩急あれば、戦う義務」を負わせました(下記)。 そして、日清、日露、満州事変へ・・・。また「民草の命は、鴻毛や2銭5厘のはがき」といわれ「産めよ増やせよ」、「一億火の玉」=「肉弾」と煽られ、鬼畜米英・・・の大東亜戦争へ。そして太平洋の深海、またツンドラの雪に散った篠山の防人=千八百余。日本の戦没者三百十万。アジアの犠牲者2000万!
その召集令状や死亡通知書などの証拠、記録、日記、遺品のほとんどは永遠に消え失せ、保存の態勢も意識も、風化の著しい時代です。しかし、篠山では、市当局と皆様の御尽力により、戦後70年にして初めて、戦争の体験を手記に綴りホームページを開設、その第一集を創刊するこができました。有難うございました。
編集のおかげで、皆様の文字や行間から、忠義に散った夫、親、兄弟・・・の生き地獄での苦闘、悶え・・・わだつみの声やつぶやき・・・が、寝ても覚めても聞こえてきました。朝鮮、満州・・・ジャワの極楽、ビルマの地獄、生きて帰れぬニューギニア~・・・~天皇陛下万歳と、残した声が忘らりょか~。昼夜の行軍、つぶしあう肉刺・・・熱帯雨林、海の底・・・ツンドラ・アッツ、チャンドラボーズ、・・・シベリアつらら= しょんべんツララ・・・満蒙敗退―顔に炭・・・。暴れる牛追う妻の田起こし・・・。戦没者、遺族、犠牲者の方々の書き尽くせない声が昼夜、いっぱい聞こえてくるのでした。感嘆、衝撃、感無量・・・最充実の二年間でした。
こうした戦場と銃後=今流:後方支援=で、臣民の兵士や家族はどう生き、どう戦ったか、リアルに見つめ直したい。また、アジアの戦没犠牲者2000万とその家族の苦難・悲しみ・痛みを分かち合い、次世代へしっかりつなぎたいと思います。小誌・ホームページには、生き証人の示唆に富む願いが素描されています。これらをまず、お子さまやお孫さんと語り合いましょう。また、学校をはじめ青少年や一般の生涯学習等において、国民主権・人権・平和への素材、資料として活かし、さらにみんなの力と熱意で補充して、大きくしっかり育てていきましょう。
その視点で今年の追悼式は、中学生や関西フィル合唱団指導者・畑義文先生らのプログラムが加えられ、マンネリの脱皮~未来志向へ歩み出す貴重な一歩でした。さらなる発展のため、思い出したくない戦争の史実と現実を、市民の手で継承し、止揚しましょう。篠山の新しい防人の詩歌や文芸作品、絵画、リサイタル、演劇・映像化、教材化、学習会、フェスタ等、今後のさまざまな創造活動の発展へと開花させていきましょう。そのアウフヘーベン〈止揚〉の活動のひろばが〈Peace Sasayama-平和のまほろば〉です、そこから、ほんまの楽しみ・平和が生み出されます。
いのちを何よりも大切にする世界=全人類が手をつなぎあう日が、一日も早く到来しますように・・・。
これからは、若いみなさんが主役 !! みずみずしい感性による作品や提案を、下記HP「平和のまほろば」へ、ケータイ、スマホ等からもお気軽にお寄せ下さい。
平和への不断の努力と広範な協力-
-地味ですが、やりがいは無限大です。ほんま!
2015.12、15 (第一集 編集委員代表- 石田 宇則)
篠山の戦中-戦後
恒久平和へ 千八百余の万葉集
創刊 2015年.10月.31日
篠山市遺族会/企画・編集委員会
〒669-2300
篠山市沢田大井戸ノ坪24 篠山市遺族会館
篠山千八百余の戦没者追悼
- 恒久平和への万葉集- 企画・ 編集委員会
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